川崎から世界へ。DeNAが挑む「Kawasaki Arena-City Project」――スポーツと“街”を起点に描く、社会実装型サステナビリティプラットフォームとは

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©DeNA / Keikyu Corporation

 

2026年1月末、一つの壮大なプロジェクトが新たなフェーズへと踏み出しました。株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)と京浜急行電鉄株式会社(以下、京急電鉄)が共同で推進する「Kawasaki Arena-City Project」です。

このプロジェクトは、単なるスポーツ施設の建設にとどまらず、2030年10月開業予定の川崎ブレイブサンダースのホームアリーナを含む複合エンターテインメント施設を核に、周辺地域一帯を巻き込んだ「持続可能なまちづくり」を体現する、世界に類を見ない挑戦的な取り組みです。本記事では、1月29日に開催された「新パートナーシップ締結発表会」において語られた各社の想いと、独自に掲げる社会実装型サステナビリティプラットフォーム「Kawasaki 2050 Model」が描く未来について紹介します。

DeNAが掲げる「地域の賑わい」とスポーツの力

DeNAは、スポーツ・スマートシティ事業におけるミッションとして「スポーツの力で“ひと”と“まち”を元気にする」ことを掲げています。同社は事業活動のマテリアリティ(重要課題)の一つに「地域の賑わいの創出と活性化」を置いており、これまでもプロバスケットボールクラブ「川崎ブレイブサンダース」を通じて、スポーツによる社会貢献や地域社会との連携を深めてきました。

マテリアリティ | 【DeNA】サステナビリティ

今回のプロジェクトは、そのマテリアリティを物理的な空間、すなわち「街」として具現化するもの。代表取締役社長兼CEOの岡村信悟氏は、このプロジェクトが新しい仲間を迎え、京急電鉄や川崎市との強力な協力体制のもと、川崎という地から世界へ新しい価値を発信していく決意を述べました。

京急電鉄の川又幸宏社長もまた、川崎が同社の創業の地であることに触れ、鉄道利用が主となる駅前アリーナの開発は、移動に伴う環境負荷の低減という点でもサステナビリティ向上に大きく寄与するとの期待を寄せています。

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社会実装型サステナビリティプラットフォーム「Kawasaki 2050 Model」の革新性

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本発表会の最大の注目点は、新たに立ち上げられた「Kawasaki 2050 Model」です。これは、アリーナ運営において単にエコ活動を行うといったボランティア的な取り組みではなく、経済価値を循環させる「経済活動」としてサステナビリティを位置づけるプラットフォーム。プロジェクト推進責任者の元沢伸夫氏(株式会社ディー・エヌ・エー スポーツ・スマートシティ事業本部 川崎拠点開発室室長 兼 株式会社DeNA川崎ブレイブサンダース 取締役会長)は、川崎が抱える課題を基に、世界共通の社会課題から5つの重点テーマを選定、「Kawasaki Arena-CityProject」を舞台に様々なパートナー企業との共創による社会実装を通じて2050年までに設定したゴールを達成し、世界における都市の新たなモデルになることを⽬標として宣言しました。

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このモデルの信頼性を担保するのが、サステナビリティに注⼒したアリーナや⽂化施設の開発、運営実績においてグローバルリーダーであるオークビュー・グループとのパートナーシップセールス領域を中⼼とした連携、そして街全体を評価対象とする国際的な環境認証「LEED for Communities」の取得に向けた挑戦です。 アリーナを核とする街区全体を対象としたプロジェクトとして世界初となるこの認証取得への取り組みは、川崎のまちづくりが世界基準の環境性能を備えていることを証明するものとなります。

さらに注目すべきは、2030年のアリーナ開業を待たずして、パートナー企業と早期共創・実用化に向けた検証を開始している点です。開業までの約5年間をかけ、共に知見を蓄積し、設備や運営計画を磨き上げていくというプロセス自体が、本プロジェクトの大きな特徴といえます。

 

共創パートナーの想い:味の素株式会社

「Kawasaki 2050 Model」の実現に向けた第1弾パートナーとして登壇したのは、いずれも川崎に深いルーツを持つ2社。味の素株式会社 取締役代表執行役社長 中村茂雄氏は、同社が100年以上前に川崎で「味の素®」の本格操業を開始してから、現在も世界最大規模の生産・開発拠点を市内に置いている「特別な縁」について語りました。同社は「アミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献する」というパーパスを掲げ、事業を通じて社会価値と経済価値を両立するASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value)を追求しています。

本プロジェクトにおける具体的な活動として、味の素は以下の取り組みを予定しています。

  • ウェルビーイングの場づくり:メインアリーナのルーフトップパークにおけるエリアネーミングライツを取得、食とヘルスケアを中心とした健康増進の場を提供
  • 食を通じた地域貢献:これまでも「&ONE(アンドワン)」 を通じて行ってきた、カフェでのエネルギー補給メニュー提供や、子ども食堂支援とフードロス削減を両立する「アジパンダ食堂」などの活動をさらに深化

※&ONE(アンドワン)=川崎ブレイブサンダースのSDGsプロジェクト(&ONE~KAWASAKI BRAVE THUNDERS SDGs CHALLENGE~ | 川崎ブレイブサンダース

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共創パートナーの想い:三菱化工機株式会社

もう一社のパートナー、三菱化工機株式会社もまた、川崎で創業し昨年90周年を迎えた地域に根差した企業です。同社はオンサイト型の小型水素製造装置で国内トップシェアを誇り、現在はグリーンイノベーションに資するGX(グリーントランスフォーメーション)事業を強力に推進しています。

代表取締役社長 田中利一氏は、メーカーとしての技術供給に留まらず、新たなエネルギー市場を創出すべくプロジェクトに参画したと述べました。具体的な実証実験として、以下の取り組みが紹介されました。

  • 水素エネルギーの地産地消:川崎市大川町の本社工場で製造した水素を、川崎市スポーツ文化会館(とどろきアリーナ等)で使用する実証実験を実施
  • 循環型サプライチェーンの構築:将来的に下水バイオマスや食物残渣から得られるバイオガスを原料とした水素エネルギーの導入も視野に入れ、ライフサイクル全体でのCO2排出量削減モデルを検証

© Mitsubishi Kakoki Kaisha, Ltd.

 

川崎市長が語る、都市政策とのシナジー

川崎市長 福田紀彦氏は、厳しい経済状況下においても本プロジェクトを推進してきたDeNAと京急電鉄の努力を高く評価。川崎市が注力している若者文化の振興や脱炭素化など、このアリーナエリアが具体的に体現する場所になると期待し育て頂きたいと話します。

市としても「えき・まち・みち・かわ」をつなぐエリア開発において責任を果たし、パートナー企業と一丸となってプロジェクトを支援していく姿勢を明確にしました。

 

2030年の開業に向け、共に挑む仲間を募集

プロジェクトは本格的な共創のステージへと入り、元沢氏は今回を機に2026年から参画パートナーを募集していくことを発表しました。

募集の概要は以下の通りです。

  • 規模と形態:業種を問わず、一業種一社を基本に最大20社程度のパートナーを想定
  • 求めるパートナー像:事業共創に対して中長期的な視点で戦略的な投資・コミットができる企業
  • プロセス:戦略的な対話を重視する個別のアプローチに加え、広く関心を持つ企業向けにオンライン説明会も開催、「Kawasaki 2050 Model」の理念を共有

「ハード(建物)」が完成するのを待つのではなく、今この瞬間から「ソフト(コンテンツ)」や「サステナビリティ(持続可能性)」の仕組みを共に作り上げていく。この5年間の準備期間こそが、未来の街、川崎市を決定づけることになります。

※オンライン説明会の詳細・お申込みはこちらから
https://forms.gle/MMYmNQ6MZAPR7GWe9

 

サステナブルな未来のモデルケースとして

「Kawasaki Arena-City Project」は、単なる一企業のプロジェクトを超え、日本の都市開発におけるサステナビリティのあり方を問い直す試みです。

DeNAがマテリアリティとして掲げる「地域の賑わい」が、味の素の「ウェルビーイング」や三菱化工機の「循環型エネルギー技術」と融合することで、どのような化学反応が起きるのか。そして、世界基準の「Kawasaki 2050 Model」がどのように社会実装されていくのか。

2030年、多摩川のほとりに誕生するルーフトップパークから眺める景色は、きっと私たちが想像する以上に、人と地球が調和した豊かな未来を映し出しているはず。この壮大なジャーニー(旅路)は、まだ始まったばかりです。

左から ディー・エヌ・エー 元沢室長、岡村社長、京浜急行電鉄 川俣社長、味の素 中村社長、三菱化工機 田中社長、福田川崎市長、DeNA川崎ブレイブサンダース 川崎社長

 

 

【関連リンク】

DeNA(Kawasaki Arena-City Project特設サイト)
【DeNA】サステナビリティ
サステナビリティ | 企業情報 | 京浜急行電鉄(KEIKYU)
川崎市
サステナビリティ | 味の素株式会社
サステナビリティ | 三菱化工機
川崎ブレイブサンダース

 

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WRITERこの記事を書いた人

Keiko YOSHIDA
Keiko YOSHIDA

広告代理店の営業を経て、2009年にYUIDEA入社。当時、環境報告書/CSR報告書をはじめ会社案内や社内報など、コーポレートコミュニケーションに関するアカウントマネジメントを担当。
その後、自社のデジタルサービス事業やダイレクトマーケティング事業で、マーケティング、アカウントマネジメントに従事したのち、2023年秋よりサステナブル・ブランディング事業に配属となり「サステナビリティ」をテーマにしたコミュニケーションの企画設計・実行を担当。二児の母。B.LEAGUE(バスケ)観戦が好き。