国際女性デー「HAPPY WOMAN AWARD 2026」 多様なロールモデルが、ポジティブな変化をもたらす勇気や選択肢を生む

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HAPPY WOMAN AWARDは、女性のエンパワーメントとジェンダー平等の推進に貢献し、社会にポジティブな影響を与えた個人や企業を表彰するアワードです。10年目を迎える2026年は、これからの10年を照らす「ロールモデル」を選定する視点から、周囲に勇気や選択肢を与えるような価値観や生き方・働き方を提示した企業と個人がそれぞれ受賞者に選ばれた。

企業部門は、かつては「女性管理職比率の向上」といった数値目標の達成が重視されていたが、2026年では、ジェンダー平等の実現を目指す取り組みが製品開発やマーケティング戦略と連動し、他社との共創や社会全体を巻き込むムーブメントへと昇華している企業活動や制度が評価された。

もう一つの特徴としては、企業がそれぞれの事業を通じて「女性にとってのウェルビーイング」をどのように捉え、社会的価値として打ち出しているかが様々な事例として語られた点だ。単に心身の健康を管理するだけでなく、「自分らしくいられる」「選択肢がある」「社会と繋がっている」といった精神的・社会的な充足感を、ビジネスを通じて提供できることこそが企業のブランド価値に結びつく時代になったことを示しているとも言えるだろう。

HAPPY WOMAN BRAND賞:味の素AGF株式会社

「ブレンディ®スティック タニタカフェ監修」シリーズが、日常生活におけるウェルビーイングを提案し、生活者に新しい価値を届けたとして受賞となった。この商品はタニタとのコラボレーションによって女性のリアルな声を取り入れながら、栄養面にも配慮したという。

SOCIAL IMPACT賞:エスエス製薬株式会社、株式会社アイロムグループ

エスエス製薬は、解熱鎮痛薬ブランド「EVE(イブ)」を通じて、目標を持って生きる女性が本来の力を発揮し、前へと進み続けられる未来を目指すプロジェクト「BeliEVE PROJECT」を2024年に始動。女性が抱える物理的な頭痛や生理痛だけでなく、社会的な「見えない痛み」に向き合う取り組みが評価された。
アイロムグループでは女性社員は8割、女性の役員比率も4割に達している。医療業界における女性登用が新薬開発や社会インフラの拡充につながった点が受賞の理由となった。

PARTNERSHIP賞:エーザイ株式会社(チョコラBB)、マリオット・インターナショナル

エーザイは「チョコラBB」を通じて多くの健康やジェンダー平等に関する情報発信を行い、課題の可視化に貢献してきた。一方のマリオット・インターナショナルは、ホテルネットワークを活かして「国際女性デー」の認知向上に貢献。2社ともに、長年にわたってHAPPY WOMANの活動に共感し、ブランド力や施設提供を通じてムーブメントを支えてきた継続的な協力関係が称えられての受賞となった。

PIONEER賞:ハリウッドビューティグループ

創業100年を超え、美容文化を通じて日本の女性を元気づけてきた先駆的な役割を改めて評価するとともに、女性が活躍する環境や基盤を築いてきたことが「パイオニア」の功績として認められた。

企業部門のWORKSTYLE INNOVATION賞は、パナソニック株式会社(以下、パナソニック)が受賞。同社が開発した体調ナビゲーションサービス「RizMo(リズモ)」の活用によるDEI推進と働き方改革を融合した取り組みを展開していることが受賞の決め手となった。

HAPPY WOMAN実行委員会 実行委員長・小川孔一氏から花束を受け取る、パナソニックの井上貴美子氏

多くの女性がPMSや更年期症状といった女性特有の健康課題を抱えながら仕事を続けているが、女性特有の健康課題は個人差が大きく、また周りからは見えないため、気づかれにくいのが現状だ。こうした見えない「ペイン(=痛み)」への我慢が、女性のキャリア形成を阻んでいることにパナソニックは着目し、女性の健康課題を個人の問題に終わらせず、組織として支えていく仕組みづくりまでもをRizMo(リズモ)のコンセプトに含めて、開発に取り組んだという。

RizMo(リズモ)は、自身のバイタルデータや体調記録をもとに、体調の原因を分析したり、今後起こりやすい体調変化を予測したりするサービスだ。これにより、女性社員が「この時期は重要なプレゼンを避けよう」「この週は無理をせず定時で帰ろう」といった、自身の体調に合わせたセルフケアができるよう促す。また単に記録するだけでなく、その時の体調に合わせた食事のアドバイスや心身のケア方法を提案する。さらに、専門家によるオンライン健康相談などのサポートも受けることができる。家電メーカーとして培った「くらしを整える」知見、そして美容家電を通じて女性に寄り添ってきた数々の実績を、現代を生きる女性たちを心身からサポートする新しいサービスへと昇華させた。

さらにパナソニックはRizMo(リズモ)の開発を機に、女性が安心して働ける環境づくりにも注力する。自社内で男女混合ワークショップや健康リテラシー向上施策を展開し、組織全体の相互理解促進や意識改革を実施した他、産官学連携により企業の枠を超えた新しい働き方モデルを発信している。

RizMo(リズモ)の開発をリードしてきたパナソニック ビューティ・パーソナルケア事業部 主幹 井上貴美子氏は、受賞のコメントのなかで女性の健康課題を個人の問題で終わらせるのではなく、男女ともに健康課題についてのリテラシーを高め、相互理解を促進し、組織・社会で支えていくことが大事であると訴えた。

個人部門では、長年の功績を讃える「LEGEND賞」や次世代の象徴となる「NEXT GENERATION賞」など、刷新された5つのカテゴリーで6名が受賞した。

・HAPPY WOMAN 賞:アン ミカ氏(モデル・俳優・歌手)
・LEGEND賞:戸田 奈津子氏(映画字幕翻訳者)
・WELL-BEING IMPACT賞:潮田 玲子氏(元バドミントン日本代表/スポーツキャスター)
・NEXT GENERATION賞:山之内 すず氏(タレント/モデル)
・CHANGE MAKER賞:五十嵐 真由子(オンラインスナック横丁 代表)
・SOCIAL IMPACT賞:石本 めぐみ氏(NPO法人ウィメンズアイ 代表理事)

左:石本めぐみ氏(NPO法人ウィメンズアイ 代表理事)、右:山本宝氏(HAPPY WOMAN実行委員会 兵庫支部長)

SOCIAL IMPACT賞を受賞した石本めぐみ氏は、とくに地方におけるジェンダーの課題や、これまで見過ごされがちだった女性たちの声に光をあてる活動を10年以上にわたって続けている。
東日本大震災の際は東北にある10カ所以上の避難所へ通った。多くの女性たちのリアルな声に耳を傾けるなかで、避難所の意志決定の場に女性がいないために、女性たちの困りごとが可視化されないことを課題として捉え、女性たちの声を意思決定の場に届けてきた。

また、女性が地域活動に主体的に関わるための学びの機会を提供し、これまで延べ1万人以上が講座や研修に参加しているという。
「一人ひとりの小さな声が集まっていけば、それが大きな力になり、社会を動かしていくと信じている」と石本氏は女性たちにメッセージを送り、困りごとや意見を発信する勇気を持つことが、よりよい地域や社会の実現に近づく一歩になることを示した。

個人部門でLEGEND賞を受賞した映画字幕翻訳者の戸田奈津子氏は、戦争の時代に生まれ、女性の地位が大きく変わっていく時代を経た上で今の自分をふりかえり「自分をハッピーウーマンと言えることは幸せ」だと語った。
「一つの目的にむけて進むなかで、諦めたことや捨てたこともたくさんある。人が何と言うかを気にする必要はない。どうか自分の好きな道を信じて進み、皆さんもハッピーウーマンとして生きていってほしい」と、戸田氏は現代を生きる女性たちに力強くメッセージを送った。

受賞メッセージを語るLEGEND賞の戸田奈津子氏

受賞者から語られたそれぞれの視点やストーリーは、現代社会における「幸せ」や「価値観」が多様化していることを浮き彫りにした。そしてその多様な価値観は、個人にとどまるのではなく、立場や分野や組織を超えた個人・企業の共創がひろがることにより、性別を問わず全ての人が「自分らしくあること」を肯定される社会の実現にむけた推進力を生むだろう。

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WRITERこの記事を書いた人

Mami NAITO
Mami NAITO

広告代理店勤務を経て、アパレル事業会社では主にEコマース事業に従事。
並行して、コーポレートサイトやオウンドメディアの運営、広報・マーケティング、新規事業開発の責任者を経験。
2021年6月YUIDEAに入社。サステナブル・ブランディング事業ならびに、ビジネスパーソンのためのサステナビリティ情報メディア『サステナブル・ブランド・ジャーニー』の立ち上げを経て現職。
コーポレート・コミュニケーション(情報開示)、マーケティング領域にまたがるYUIDEAの実績と知見を統合して、企業や自治体のサステナビリティ推進支援やコミュニケーション設計、パーパスやサステナビリティを「自分ゴト化」するためのインターナル研修や行動変容施策の企画提案を行う。

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