サステナビリティ推進において、社外のステークホルダーや生活者とのコミュニケーション(エクスターナル・ブランディング)に頭を悩ませる企業は少なくありません。
本記事では、豊田通商様が登壇されたセミナー「サステナビリティを“共感” へ繋げる実践アプローチ~『コットンエイト』に学ぶ、エクスターナル・ブランディング~」の参加者アンケート結果をもとに、企業が抱えるリアルな課題や実践状況、今後目指すべきアプローチについて紐解きます。
「発信の手応えが得られない」「どのようなコンテンツを作れば共感されるのか分からない」とお悩みの広報・サステナビリティ担当者様にとって、今後の施策に向けたヒントが得られる内容となっています。ぜひご一読ください。
企業が抱えるエクスターナル・ブランディングのリアルな課題
社外に向けたサステナビリティ情報の発信において、企業は具体的にどのような課題を感じているのでしょうか。セミナー参加者へのアンケート結果によると、最も多くの声が集まったのは「ストーリー構築やコンテンツ設計(戦略・計画)」(28.6%)でした。次いで「効果測定」(25.7%)、「関係構築」(20.0%)が続いています。
Q2 社外ステークホルダーとの取り組み・情報発信の課題


情報発信の「量」自体を課題として挙げた企業は17.1%にとどまっており、単に情報を発信するフェーズから、「何をどのように語り、相手にどう届けるか」というコンテンツの質や手応えが問われるフェーズへと移行していることがうかがえます。
また、環境表示ガイドラインの改定等に伴い関心が高まる「グリーンウォッシュ(リスク管理)」に対する懸念(8.6%)や、自由記述からは「社外向け発信の前に、コストや費用対効果を含めた社内合意形成・説得が難しい」といった、組織内部のハードルを指摘する切実な声も寄せられました。
導入が進む「定番施策」と、手応え(成果)の乖離
現在取り組んでいる具体的な施策としては、「Web・デジタル発信(オウンドメディアや特設サイトなど)」(62.9%)と「レポート類(サステナビリティレポートや統合報告書など)」(42.9%)が上位を占めました。
Q3 既に取り組んでいる・対応済みの施策

一方で、それらの施策に対する手応えや課題感を見ると、興味深い事実が浮かび上がります。
すでに「レポート類」に取り組んでいる企業のうち、半数以上(53.3%)が「対応しているが不十分・課題がある」と感じており、「SNS活用」に至っては実施企業の約7割(71.4%)が不十分だと回答しています。開示や発信の「枠組み」は整えつつあるものの、「実際に読まれているのか」「ファン化や購買などの行動変容に繋がっているのか」という可視化・手応えの面で壁にぶつかっている企業が多いことがわかります。
Q4 対応しているが不十分・課題がある施策


「共感」を生み出すための実践アプローチと今後の展望
では、こうした課題を突破するために、企業は今後どのようなアプローチを取り入れようとしているのでしょうか。
アンケートで最も多く選ばれたのは「自社のストーリーや思想を軸にしたコンテンツ設計」(31.4%)でした。次いで「外部パートナーやステークホルダーとの共創アプローチ」(22.9%)や「グリーンウォッシュを恐れず、透明性を持った情報発信」(20.0%)が挙げられています。
Q5 今後取り入れてみたいアプローチ

本セミナーで紹介された豊田通商様の『コットンエイト』や「フェアトレードコットン」の事例のように、単にスペックや正当性を主張するのではなく、素材背景にあるストーリーや関係者の想いを懸命に紡ぎ出し、透明性を持って伝えること。そして社外パートナーとともに巻き込み型の施策をつくる「共創」の実践こそが、ウォッシュのリスクを回避しながら「共感」を軸としたブランディングを構築する鍵となります。
編集後記(まとめ)
今回のアンケート結果を通じて、多くの企業が「発信枠組みの導入」から「ストーリーを通じた共感と成果の創出」へと、新たなステップへ踏み出そうとしている熱量を強く感じました。
サステナビリティに関する発信は、ともすれば抽象的な理念や数値報告に終始しがちです。しかし、生活者や取引先をはじめとする社外のステークホルダーが本当に求めているのは、企業の愚直な姿勢やそこに込められた想い、そして「手触り感のあるストーリー」なのだと再認識させられます。
また、社外発信を成功させるためには、その裏側にある「社内の合意形成や意識醸成」も切っても切り離せない要素です。まずは自社が大切にしたい「思想やストーリー」を整理し、一歩ずつ社内外へ共感を広げていく旅(ジャーニー)を、これからも応援していきます。
●以下のような課題をお持ちのご担当者様はぜひお気軽にご相談ください!
・自社の「ストーリー」や「思想」を軸にしたコンテンツ設計
・外部パートナーやステークホルダーとの「共創」アプローチ
・商品パッケージや動画など、身近なタッチポイントを活用したブランディング
・グリーンウォッシュを恐れず、透明性を持った情報発信