グローバル企業はSDGsの取り組みをどう開示しているのか

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SDGsへの取組みを開示す企業の増加に伴い、YUIDEAでは以下の企業の情報開示状況を調査し、参考となる企業を選出して、コミュニケーションの観点からマトリックスで整理しています。

このマトリックスの横軸は、「SDGs用の媒体で情報を開示」しているか、「主にCSRレポートなどの年次報告情報開示」しているかで分けています。SDGs用の特設サイトなどを作成している企業は、それだけ注力していると考えられます。

縦軸は、SDGsの目標について「17すべての目標について開示」しているか、「目標を絞り込んで開示」しているかで分けています。17すべての目標について開示することは、SDG全体と企業との関連性を理解できるという点で有用です。一方、目標やターゲットを絞り込むことで、どんな社会課題や背景があり、何をコミットし、解決のために具体的に何を行っていくのか、そのKPIと進捗状況についてなどが、ストーリーとして紹介しやすく、読み手にとって理解しやすいと言えます。

●国連のサイトにおいて取り組みを公表している企業
●SDG Industry Matrix(産業別SDG手引き)製造業で紹介されている企業

今回は、各グループから1社ずつ代表的な事例をご紹介します。

シーメンス:SDGs用の特設サイトで、17すべての目標について開示
SDGsへの取り組みとその貢献を視覚的に理解できる「webページ」を特設。メインビジュアルでは「持続可能な開発を“利益と長期的な成長”を達成する手段として捉え、SDGsへコミットする」ことを開示。
下図のようにSDGs17の目標アイコンを用い、「200ヶ国以上での活動を通じ、17すべての目標に貢献している」ことを表明。
目標のアイコンをクリックすると、該当する目標への貢献度に関する「定量的なデータと要約文」が表示。
さらに、コミットの裏付けとなる具体的な活動紹介や商品ページにリンク。

シーメンスサステナビリティサイトより

エアバス:SDGs用の特設サイトで、特定の目標について開示
事業が関わる現代社会の課題を明らかにし、「豊かな社会を創造しよう!(Let’s build a more prosperous world)」というスローガンのもと、SDGsへの貢献を宣言。
このスローガンの直下には、緊迫感ある約1分のムービーを掲載。「ジェンダー平等(目標5)」「若い世代への技術継承(目標4)」「労働安全衛生(目標8)」「技術革新(目標12)」等の社会課題を取り上げ、エンディングではエアバスとして貢献する8つのSDGを特定。
また、「環境負荷低減」「運営管理責任」「持続可能性の為の技術革新」「安全で豊かな世界への貢献」「質の高い教育と多様性の促進」についての貢献ストーリーを、下層ページで展開している。

エアバスサステナビリティサイトより

ネスレ:年次報告書で、17すべての目標について開示
ネスレは、「株主の皆さまと社会全体のために価値を想像することが、企業としての長期的な成功につながる」とし、「共通価値の創造(CSV)」にコミット。
持続可能な開発目標(SDGs)を共通価値の創造のアプローチに取り入れ、「ネスレ2030年目標」を策定。「ネスレ2030年目標」は下記3分野で構成されており、年次報告書にてそれぞれが貢献するSDGsについて紐付けて掲載している。

1.個人と家族のため-5,000万人の子供たちがさらに健康な生活を送れるように支援する
2.コミュニティのため-ネスレの事業活動に直結するコミュニティに暮らす3,000万人の生活を向上させる
3.地球のため-ネスレの事業活動における環境負荷ゼロを目指す

ネスレCSVレポートより

インテル:年次報告書で、特定の目標について開示
年次報告書である「Corporate Responsibility at Intel 2017–2018 Report」にて、重点テーマとする「環境」「ダイバーシティ&インクルージョン」「サプライチェーン」「ソーシャルインパクト」に関しての包括的な情報を発信。
Appendix(付録)にて、各テーマに紐づくSDGsと具体的な取り組みを掲載。例えば「ダイバーシティ&インクルージョン」ではSDGの目標5と目標10が関連しており、インテルが女性と少数民族の雇用に関する目標を掲げ、それらに約300億ドルを投資したことを報告。
また、ICT業界全体でのSDGsへの貢献も推進しており、同業のマイクロソフトや国際NGOのNet Hopeなどと協同し、業界とSDGsの関連を分析した「SDG ICT PLAY BOOK」を作成。

インテルCRレポート・SDG ICT PLAYBOOK corporate responsibility at Intel より

国内でも、事業とSDGsとの関係性について様々な工夫を凝らし表現する企業が出てきています。
しかし重要なことは、SDGsをラベルとして使うのではなく、共通価値創造のためのツールとして、いかに事業に組み入れることができるか、ということです。

海外での取り組みも参考に、是非SDGsをうまく事業に取り入れ、ビジネスの改善や創出につなげていただければと思います。

※本記事は、「サステナビリティコミュニケート」からの転載記事です。

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サステナビリティ・コミュニケート編集部
サステナビリティ・コミュニケート編集部

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