社員研修:パーパスやサステナビリティを「自分ゴト化」するプロセス/サステナブル・ブランディング研修 事例のご紹介


サステナビリティを推進する上で直面する企業の課題

SDGsやサステナビリティに関する世の中の認知はここ数年で一気に高まり、サステナビリティへの取り組みを掲げる企業が増えていますが、それと並行して担当者の方からは様々なお悩みや課題をお聞きしています。

「SDGs調査レポート(公共財団法人「地球環境戦略研究機関」2021年3月発行)」によると、SDG Compassの5つのステップに沿ったSDGsへの取組みの5年間の進捗状況をみたところ、2016年の調査ではステップ1「SDGsを理解する」が半数以上、ステップ3以降の企業は25%ほどだったのが、2020年になるとステップ4「経営へ統合する」が27.4%と最も高い値を示し、ステップ3以降で68.3%を占めています。

引用:「コロナ禍を克服するSDGsとビジネス~日本における企業・団体の取組み現場から~」7Pより

この5年間で各企業の取組みが進んだことがうかがえるものの、取り組む上での課題も見えてきています。企業の経営陣については2016年のSDGs認知度が3割に満たず、トップのリーダーシップの引き上げが大きな課題となっており、「トップのコミットメントが弱い」と回答した割合が31%でした。しかし2020年にはその割合が14%と減少しトップメッセージなどを通じてトップのコミットが強くなってきています。一方、中間管理職・一般社員ともに「理解度が低い」という課題は増加傾向にあり、社会やビジネスにおいてもサステナビリティの重要度が増すのに対し、社員の理解・社内浸透とのギャップが拡大しています。


※「コロナ禍を克服するSDGsとビジネス~日本における企業・団体の取組み現場から~」をもとにYUIDEAにて作成

YUIDEAが開催しているセミナーのアンケートにおいてもサステナビリティに関する理解・浸透が進まないために、せっかくサステナブルな取組みや商品があっても、その価値を伝えられないとの課題感が多く寄せられています。例えば、「サステナビリティを軸に開発された商品があるものの、社員が理解できておらず商談先にうまく説明ができていない」「社員が価値を理解できていないため、サステナブルな自社活動について分かりやすく伝えることができない」など、サステナビリティが自社の事業や自身の担当業務と結びついていないがために、日々の業務に活かすことができず具体的なアクションにつながっていないとのお悩みをうかがうことが近年特に多くなっています。


パーパスへの共感、自分ゴト化

パーパスについても重要性や認知度が高まる一方で、共感度は低いという調査もあります。
「ブランドパーパスに関する生活者調査レポート(博報堂、2021年)」によると、自分が所属する企業の経営理念の認知度は78.6%と高いが、共感している割合は4人に1人(24.8%)にとどまっています。

引用:「ブランドパーパスに関する生活者調査レポート(博報堂、2021年)」

一方、社員が会社のパーパスに共感すると、勤続意向やモチベーションが高まるという調査結果もあり、自社の経営理念に対する共感は、社員の勤続意向に影響しているといえます。

引用:「ブランドパーパスに関する生活者調査レポート(博報堂、2021年)」

共感を高め社員が「自分ゴト化」するためにはパーパスをただ掲げるだけでなく、社員が自社の事業活動を世の中への価値提供へと結びつけられるように促すことが重要です。


サステナブル・ブランディング研修のねらいとは

YUIDEAが提供している「サステナブル・ブランディング研修」では、自社が掲げるパーパスやサステナビリティを社員に「自分ゴト化」をして頂くことで自社事業との結びつき、自身の担当業務への活用を目的としてプログラムを提供しています。パーパスやビジョンが社員に浸透し、自社に誇りを持ち、事業活動とサステナビリティを統合的に捉えることで企業価値の長期的な向上へとつながり好循環を生み出すプロセスだと考えているからです。社員の「変化」がサステナビリティ経営推進には欠かせません。


サステナブル・ブランディング研修の特徴


・20年以上にわたるサステナビリティ経営支援の知見を活かして
YUIDEAでは、日本企業の「CSR」元年といわれた2003年より以前から、「サステナビリティ」が重要なテーマになると考え事業をスタートしており、20年以上にわたり延べ1,000社以上の支援実績があります。これまでの長年培った知見・ノウハウを活かしご提案をさせて頂くのが強みです。

・「対話」を重視した研修プログラム
「サステナブル・ブランディング研修」では、社員同士の「対話」を中心に、社会課題とビジネスとのつながりを理解することで、「自分ゴト」としてサステナブルな視点での新たな企業価値創造を促します。
自社が取り組むサステナビリティの課題を難しいと感じていた社員も「対話」を通して身近な自分自身の興味や関心を認識し言語化することで、サステナビリティへのハードルが下がり、自分自身と社会課題の接点に気付くことができます。また、「対話」の中で自分以外の人への価値観や意見に触れ、自分の視点と他社の視点のギャップについて考えることでメタ認知(=自分ゴト化)が可能となります。

・対話を促すための「問い」の設定
対話が活発に行われるためには、伝えたいメッセージに関する「問い」の設定が重要です。
この「問い」には答えはありません。なぜならいま世の中が抱える多くの社会課題には正解となる答えがないからです。答えのない「問い」に答えを見出すプロセスを研修を通して行っていきます。

・ご支援例
YUIDEAの研修プログラムには決まったフレームはありません。なぜなら企業によって重要課題や研修対象、研修のゴールが異なるからです。最初に課題やニーズのヒアリングをさせて頂いた上で、企業別にカスタマイズしご提案をさせて頂きます。

1.コンサルティング
・課題やニーズのヒアリング
・対象や目的の明確化
・各専門家との連動

2.企画立案
・コンテンツのカスタマイズ
・ディスカッション

3.実施
・研修の実施
・専門知識を持つファシリテーターのアサイン
・オンラインで運営

4.ふりかえり
・研修後のアンケートまたは満足度調査の実施
・アンケート
・調査結果の分析レポーティング

研修の対象者

研修のテーマやゴールを何に設定するかにもよりますが、YUIDEAでは複数部署の方々のご参加を推奨しています。自分とは異なった業務・経歴・視点を持った方が「対話」することで新たな気づきが生まれ、他者を理解することで「自分ゴト化」にもつながります。
これまでご参加頂いた例だと
サステナビリティ推進当者を中心に、
・営業担当者
・マーケティング担当者
・新規事業開発者
などから、それぞれご参加いただきました。


実施事例:日本製紙クレシア様

・背景と課題
環境を配慮したサステナブルな新製品の発売に伴い、社員のサステナビリティ全般の基礎知識の状態に課題を感じていた。
・実施した内容
全社員のうち先方事務局が選抜した約100名が参加した。
(4ヶ月間、4回の実施/オンライン)
・成果
約100名の参加者の8割以上が「満足」と回答し、定期的な研修実施を希望すると回答した。

今回の研修を通して、サステナブルを軸とした新製品発売に伴い、社内のサステナビリティに関する理解促進と「自分ゴト化」を促し、また今後のビジネスに大きな影響を与えるサステナビリティに関して全社的な知識と意識向上のボトムアップ施策となり、対話を通した社員同士の気づきへとつなげることができました。


さいごに

いかがでしたでしょうか。YUIDEAが提供する「サステナブル・ブランディング研修」の資料は下記よりダウンロード頂けます。より詳しい内容やご提供事例については個別にご案内させて頂きますので、下記よりお問い合わせください。
Sustainable Brand Journey編集部
mail: sb-journey_ml@yuidea.co.jp




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