京都里山 SDGs ラボ「ことす」にて開催【第2回 Beyond カンファレンス 2023】

(2023.5.11. 公開)

「and Beyond(アンド ビヨンド)カンパニー(事務局 NPO法人ETIC. 以下aBC)」は、京都市、リコーなど約20団体で構成する「京都超SDGsコンソーシアム」と共催で、5月26(金)27日(土)2日間にわたり「第2回Beyondカンファレンス2023」を開催する。会場となるのは、京都を代表する里山・京北地域にあり、SDGs の教育/ 発信拠点を担う京都里山SDGs ラボ「ことす」だ。

イノベーションを創発するアントレプレナーシップ溢れる人材育成や組織の在り方、社会課題解決型の新規事業開発などが注目される中、企業や大学、NPOが業界や事業規模の違いを超えて連携・協働を推進するために提供されるユニークな場として「Beyondカンファレンス」は設定された。地域コミュニティの個々人も含めて思いのある人々が集まり、その意志を実現させるためのネットワーキングができる機会として、既にいくつかの具体的な活動も生まれており、その成果は各方面からも評価されている。


サステナブルな社会とウェルビーイングの実現のために

たった一つの大切な地球を守りながら、一人ひとりが幸福を感じられる社会をつくるため、私たちにどんなことができるか? その答えを求めて、「第2回Beyondカンファレンス2023」は開催される。これは、サステナブルな社会とWell-Being(ウェルビーイング)を模索したい企業や個人が集まり、試行錯誤中のプロジェクトをブラッシュアップしていく年に一度の「お祭り」でもある。

第2回目となる今回は、民衆の活気にあふれ、持続可能な社会を構築した江戸時代の「世直し」をイメージした。ともに挑戦を応援し合う場として、挑戦をさらに後押しするための楽しい工夫が盛りこまれている。

ロート製薬、竹中工務店、ヤマハ、JAL 他、計20以上の企業・団体が登壇


・企業、NPOなどの所属や肩書を超えて、社会課題の解決を目指し協働する個々人のaBCへの参加を促進すること

・多くの企業人にaBCの活動を知ってもらい、自身の職場でのイノベーション創発や新規事業開発のヒントを見出してもらう場となること

本イベントは、上記を目的としている。

視聴型「トークセッション」、京北の里山での「フィールドワーク」、参加型「作戦会議」など2日間で約20のセッションを実施。多様な世代の参加を促すため、親子参加割引きや、小中学生も参加可能なセッションを設けている。



基調セッションは「自分たちは、次世代に何を残したいか?」をテーマに、スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー日本版編集長の中嶋愛氏を迎え、複数のセクターが協働して社会システムの変革を起こす「コレクティブ・インパクト」について、国内外の事例を聞きながら議論する。

私たちのめざす協働とは、目先の利益のためではなく、社会課題解決だけでもなく、まだ生まれていない子どもたちが生きる未来を見据えている。何のためにやるのか、この場にいない人のことを想像し、どこに不利益不平等が発生するかを想像しながら対話することが重要だ。


京都 超SDGs コンソーシアムの拠点、京都里山SDGs ラボ「ことす」

また本イベントは、日常とは違う環境でリラックスし、視野を広げ深い考察ができる場として、都市部以外で開催している。第1回は2022年4月に鎌倉の建長寺で開催。150名以上が参加した。

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今回は共催団体「京都 超SDGs コンソーシアム」の拠点、京都里山SDGsラボ「ことす」が会場となる。京北の里山は、桓武天皇が平安京建設の木材を調達した地だ。廃校となった小学校をリノベーションし、2021年に誕生した「ことす」は、SDGs の教育/ 発信拠点・中山間地域活性を目的として建てられただけでなく、ごみと環境教育を研究する京都大学浅利研究室の協力を得て環境に配慮した企画運営も行われている。



「ことす」の由来は「ことをおこす」「ことをなす」。今回のBeyond カンファレンスでも、多くのチャレンジが生まれることに期待を寄せながら、大阪・関西万博や資源循環社会を意識したサステナブルなイベント運営を行う。


みんなでまわそう! 資源循環

関西万博や、2030 年SDGs 目標年など重要な区切りの年に位置付けられ、イベント時においても、持続可能性への配慮が求められている。共催の京都超 SDGs コンソーシアムらとも連携し、資源循環に配慮した会議運営を目指す。 


そもそも、「ごみ」とはなんだろう?

人が生活する/ 事業を行う中で日常的に「ごみ」が排出されていますが、世界の資源枯渇・生態系破壊などの環境課題への意識の高まりと共に可能性ある資源として「ごみ」が注目される。

開催会場の「ことす」は、徹底した省資源や資源循環に挑戦しており、生ごみはリサイクルして肥料や再生可能エネルギーになり、ごみを焼却するために市街地まで運ぶようなエネルギーも使わず、里山を中心とした小さな循環が行われている。

この場の力も借りながら2日間にわたって、遊びや楽しさも盛り込みながらサステナブルなイベントの模範になる事例を共創するのが本イベントの狙いだ。

「資源循環」の考えを大切にし、一部のリーダーの活動だけでなく関わる人の視点が心地よく増える実践的な活動を積極的に推進していきたいと考えのもと、クリエイティブなアイデアを模索する。


「第2回Beyondカンファレンス2023」概要


▼タイトル
第2回Beyond カンファレンス2023「舞台に上がって、ええじゃないか!」

▼主催
and Beyondカンパニー(事務局 NPO法人ETIC.)

▼共催
京都超SDGsコンソーシアム

▼日時
5月26日(金)13:00~18:10
5月27日(土)10:00~16:30

▼場所
京都里山SDGsラボ「ことす」
(京都市右京区京北周山町下寺田11 元京北第一小学校内)

※一部オンライン視聴可

▼定員
リアル/100名程度(先着順)
オンライン/100名程度(先着順)

▼WEBサイトURL
https://andbeyondcompany.com/bc2023/


▼関係者のコメント

京都大学 准教授 浅利 美鈴 氏

ごみや環境教育をテーマに、国内外の若者や産学公の幅広い関係者と研究・教育・社会貢献活動を展開しています。「京都超SDGsコンソーシアム」では、企業や行政の皆さんの期待に対し、テーマに合う学生を配置したり、産学公のマッチングを行ったりする映画監督のような役割を担いますが、本当の意味での協働には難しさを感じるところもあり、今回の共催企画を通じて、ETIC.やaBCの進め方を学びたいと思います。会場の里山は1,300年の歴史ある地で「ことす」は開発から関わってきた施設です。皆様の来場を楽しみにしています。

ロート製薬 広報・CSV推進部マネージャー 兼 万博連携プロジェクト 徳永 達志 氏

社会人経験も長くなると、自社の仕事に加え「世の中の社会課題により直接的に貢献したい」、「自分の力や経験をもっと役立てたい」という思いが強くなったりすることもあると思いますが、地域のNPOなどのドアを直接叩くなど社会課題に自ら飛び込んでいくのはなかなかハードルが高いです。そのハードルを下げるため、企業の社員と、地方のプロジェクトを3か月間お試しで、スキルではなく思いでマッチングするプログラム「Beyonders」をETIC.といっしょにつくりました。実際に、弊社の社員も、第1期8人、第2期7人がさまざまチャレンジに飛び込んでいます。当日は弊社社員がこれらの取り組みについて分科会でご紹介する予定です。

ヤマハ発動機 企画財務本部経営改革アドバイザー 白石 章二 氏

新規事業開発には、志のある社員を発掘し応援する方法を、部署を司る担当が理解していることが重要です。そこで、aBCに参加し、志ある人を応援する方法を学び、社内に持ち帰っています。昨年の第1回では「森あそびラボ」というプロジェクトで分科会を行い、その後この目的に賛同する仲間も増え、実際にモニターツアーの開催にまでこぎ着けたことが成果となっています。今年は同様のスキームで、全国の森を巻き込んだ観光用プラットフォームを作ることを目指し、森林ツーリズムに関心のある、志を同じくする人とこのカンファレンスで出会いたいと思っています。

日本航空 ソリューション営業本部 兼 社内ベンチャーチーム W-PIT 上入佐 慶太 氏

「都市と地方をかきまぜ、新たな人流を生み出し、日本に生気を吹き込む」をミッションにした取り組み「JVP(Japan Vitalization Platform)」の旗揚げの場として第1回目のBeyondカンファレンスを活用しました。「JVP」では、2050年までに2,000万人の関係人口創出を目指し、その際に発生する様々な課題を解決するための調査・研究、納税や住民票などの制度改革に向けて政府への働きかけを行っています。当初は数人で始めた取り組みではありましたが、昨年は多くの方に参加・共感いただき、現在では約90名のメンバーで取り組んでいます。今年は「Beyonders」でマッチングしたJR西日本にもご参加いただき、より取り組みを広げるための分科会を行います。


andBeyondカンパニーとは

「意志ある挑戦が溢れる社会を創る」をミッションに活動する企業とNPOによるコンソーシアム。イノベーションをリードする15社が参加。事業提案を評価せずに応援するオンラインイベント「Beyondミーティング」、社員が副業やプロボノで社会課題解決に関わる「Beyonders」、社長を交換して若手社員と交流するプロジェクトなどを実施しています。

<参加団体(順不同、15団体 2023年3月末時点)>

ロート製薬、ヤマハ発動機、セイノーホールディングス、マネックスグループ、アビームコンサルティング、江崎グリコ、竹中工務店、フェリシモ、YUIDEA、PwCコンサルティング、日本郵政、日立製作所、東京海上日動、ファミリーヘルス財団、ETIC.


京都超SDGsコンソーシアムとは

SDGs先進都市である京都市をフィールドに産学公が連携し、SDGs達成に向けともに考え、行動・発信することでサステナビリティの社会実装を目指す。京都大学における資源循環や省エネ・創エネに関する取り組み、人口が減少する中山間地域の維持、持続可能性・SDGsをテーマに教育プログラム開発やシンポジウム、博覧会等による発信・情報交換を行っています。

<参加団体(順不同、21団体 2023年3月末時点)>

京都大学、京都市、リコー、安田産業、JT、ソフトバンク、ECOMMIT、三洋化成、セブン&アイ・ホールディングス、マクドナルド、エフピコ、国中環境開発、大和リース、MIRARTHホールディングス、ミツカン、象印、Adecco Group、トーカイグループ、ワコール、エコーるど京大、いきもの倶楽部KONOMI


NPO法人ETIC.(エティック)について

新しい事業づくりを通して社会課題解決に挑戦する起業家型リーダーを育成する認定NPO法人。学生が経営者の右腕になる「長期実践型インターンシップ」97年-、日本初の社会起業を志すビジネスプランコンペ「STYLE」02年-、社会的事業を立ち上げる若者を支援する「社会起業塾イニシアティブ」02年-、地域の中間支援組織が参加する「チャレンジ・コミュニティプロジェクト」04年-など全国80地域で人材育成プログラムを実施。東日本大震災後には「震災復興リーダー支援プロジェクト」11-18年を実施。これまで約12,500名の若者たちが変革・創造の現場に参画。1,900名以上の起業家輩出。2017年より「意志ある挑戦が溢れる社会を創る」をミッションに活動する「and Beyondカンパニー」事務局を務める。
https://www.etic.or.jp/





■執筆: Mami NAITO Sustainable Brand Journey 編集部
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